田村太郎

一般財団法人ダイバーシティ研究所代表理事/復興庁上席政策調査官

災害からの復興の道のりは、災害の規模が大きければ大きいほど長く続きます。世の中の人の関心が薄れたあとが、とくに長く感じます。今回のタイムラインマッピングは、阪神・淡路大震災からのその長い道のりを俯瞰しつつ、濃淡はあるものの間断なく多様な活動が展開されてきたさまが実感できるものですが、これからその長い道のりを歩んでいく東北の人々にとってはある種の希望にもなるのではないかとも思えます。

とくに、震災直後から1年ほどのあいだの熱狂的なまでの注目や、押し寄せる支援者の波が退いていったあとの、とんでもなく寂しい被災地のこれからを考えると、多様なクリエイターが間断なくやってきてくれるかもしれないという期待を抱く材料となるでしょうし、最初の熱狂には乗れず地に足着いた被災地との関係を模索していたクリエイターには、まさにこれからが復興に関わるステージなのだと背中を押してくれる存在となるかもしれません。

また、活動の時期には、テーマや分野ごとに多少のタイムラグがあることも興味深いところです。時期や分野、テーマごとに異なる多様なアクティビティが展開されることが、被災地に関心を寄せ、被災地を尋ねる人の数を増やし、被災地に活気を与えてくれます。東北にこれから多くのクリエイターに関わってもらいたいし 神戸の復興に携わってきた立場からは、今後も神戸でこのタイムラインにどんな新しいアクティビティが追記されていくのかも注目したいです。

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