資料集めやリサーチ、インタビュー、マッピング作業を通して見えてきたことがあります。
途中経過ではありますが、プロジェクト全体のまとめと分科会ごとの発見、気づきなどをご覧ください。
永田宏和
NPO法人プラス・アーツ理事長 / 企画・プロデューサー
アート、デザイン、建築と3つの分野ごとにマッピングされたこの年表を俯瞰してみると、多少の偏りはあるものの、活動が地震発生から現在まで継続しておこなわれていることがわかる。それは復旧、復興の道のりが長く果てしないことを物語っており、刻々と変化する被災地のニーズに対して多種多様な活動が求められ、展開されてきたことを意味している。被災地支援におけるクリエイティブな活動は短期的なものではなく、5年、10年、20年と被災地に寄り添い、継続的に展開されるべき活動なのである。
さらに、それぞれの活動をもう少しくわしく見てみると、被災地のニーズに合わせて少しずつ変化していることがわかる。特に顕著なのは、発災直後には、被災地を元気づけようとチャリティなどの活動が多数展開されているのに対し、約10年を経過した時期からは、被災地で得られた教訓を震災を経験していない子どもたちや被災地以外の地域の人々に伝えていこうとする活動が展開されていることである。つまり、変化する被災地のニーズに寄り添い、被災地がその時に本当に求めている支援活動を展開していくことが重要なのである。そうした観点に立てば、被災地のニーズを熟知し、被災地に寄り添うことができる中間支援的なコーディネート機能が必要不可欠であり、今後の被災地支援を考える上でとても重要なファクターになることはまちがいない。
原 久子
大阪電気通信大学教授 / アートプロデューサー
+ アート分野メンバー
鎮魂・癒し→体験・記憶の表現へ 震災直後には鎮魂・癒しの意味を込めた表現が多く、時間の経過とともに、体験や記憶を残し、伝えてい…
レポートを読むかわいひろゆき
神戸芸術工科大学教授
+ デザイン分野メンバー
活動は5年後、10年後に集中 震災から5年後の「神戸21世紀・復興記念事業」、10年後の「震災10年神戸からの発信」「阪神・淡路大震災…
レポートを読む槻橋 修
神戸大学・准教授 / 建築家
+ 建築分野メンバー
復旧期→再生期→発展期 仮設住宅や公共施設・インフラ整備をおこなう「復旧期」→建物を震災前またはそれ以上の水準にする「再生期」→ソフ…
レポートを読むプロジェクトメンバー
インターネット元年 震災が発生したのはインターネットの普及以前だったため、活動の記録を後から参照しにくい事例も。 …
レポートを読む田村太郎
一般財団法人ダイバーシティ研究所代表理事/復興庁上席政策調査官
災害からの復興の道のりは、災害の規模が大きければ大きいほど長く続きます。世の中の人の関心が薄れたあとが、とくに長く感じます。今回のタイムライ…
レポートを読む曽我部昌史
建築家/みかんぐみ
年表上にちりばめられる色とりどりのマークにカーソルを合わせる。何気なくクリックした緑色の四角は、壊滅的な被災をした長田地区が、逆境を逆手に「…
レポートを読むブルース・ミラー
駐日オーストラリア大使
私自身が阪神・淡路大震災時に日本駐在で、また神戸で学生時代の一時を過ごしたこともあり、この度、「阪神・淡路大震災+クリエイティブ タイムライ…
レポートを読む柳本浩市
アーキヴィスト/デザイン・プロデューサー
個人的にアーカイブを扱う立場から申し上げると、こういったアーカイブに対して考えるのは、このデータを今後どうやって役立てていくかが大きな意味を…
レポートを読む水野 祐
弁護士/Arts and Law代表理事、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン
著作権やインターネット関連の情報法を専門とする法律家として、このような幅広い震災関連の情報が広く市民に公開されること、そして、それがビジュア…
レポートを読む